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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 03月 27日

保険の解剖学(6)~ファインセーブ~

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保険商品名
 死亡保険FIine Save[ファインセーブ](オリックス生命)

商品の内容
 無配当解約払戻金抑制型定期保険

特徴
 解約時に払い戻す「解約返戻金」をなくすことで割安な保険料を実現し、高年齢でも加入しやすいようにした死亡保険(定期保険)。保険金額も200万円から100万単位で設定することで、契約者の生活状況に応じて保険料を細かく設定することが可能。つまり契約者のニーズと保険金・保険料との間に無駄がない。

この保険のキモチ
 定期保険の無駄な部分を極力切り捨て保険料を割安にすることで、幅広い年齢層に対応した保険金を保証できるのがセールスポイント。年齢や保険金が一定の基準を超えなければ、医師の診査は不要となっています。また申込み年齢が75歳まで可能であり、健康であれば年齢に適した保証を得ることができます。

契約へのふるまい
 新聞広告の大文字契約例では、「60歳男性・死亡保険金200万円」で月々2,518円となっています。保険期間は10年。このパターンが代表的なセールス契約だとすると、70歳満期の掛け捨て生命保険を勧められていることになります。
 ところが「厚生労働省平成24年簡易生命表(男)」によれば、70歳での死亡率は20%を切っています。つまり単純計算で約80%の契約者が掛け捨てた保険料(安心料)で保険金を賄っている構図が見えてきます。
 さらに商品詳細を見ると、「保険期間満了の2週間前までに申し出がない限り、90歳まで同一保険期間、同一保険金額で自動更新される」とあります。つまり満期を迎える際に契約の意思表示を怠ると、70歳時の保険料で10年間の契約が結ばれてしまうということです。現在の保険料に当てはめると、70歳時点の保険料は6,318円と約2.5倍に跳ね上がり、200万円の保険金に見合う70歳時の経済負担かどうかも疑問になってきます。
 この商品を契約するなら、まず設定する保険金額(この例では200万円)が10年後に本当に必要かどうかしっかり検討することです。広告には平均的な葬儀費用を例に挙げて必要性を訴えているようですが、あくまで「平均」であって、個人の葬儀に対する考えと内容によってはそれほど費用が必要ではない場合もあります。そしてもし必要と判断したら、平均寿命や死亡率、自身の健康状態を検討してなるべく長い保険期間を設定することが大切でしょう。保険金と保険料だけで判断してしまうと、保険会社に「安心料」を払うだけで終わってしまう確率が高くなるということです。

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by fp2-kojiro | 2017-03-27 10:38 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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