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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 07月 17日

ライフジャイロ(39)~「税制優遇」は高利回り商品~

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 低金利時代の昨今、もし手元にまとまったお金があってもこれと言った預け先や金融商品がないのが現実でしょう。使い先が未定のお金がそのまま普通預金や定期預金に塩漬けされていたり、殊勝にも将来のために貯蓄を考えているなら、まず金融機関を頼らないことです。預けたところで微々たる利息に利子税まで課せられ、何かの手数料を払えば反対にお金が減っていくのが現実だからです。
 今の時代にお金をうまく運用していきたいのなら、貯蓄の目的を明確にして国の制度を最大限利用することです。条件面で該当し所定の手続きをすれば、金利分は国が税金で賄ってくれます。いわゆる「税制優遇」です。

確定拠出年金(iDeCo、イデコ)
 貯蓄の目的が「老後の生活」であれば、所得によって1年間拠出した金額の5~40%近くが返ってきます。暦年積み立てたお金が「小規模企業共済等掛金」として扱われ、所得から全額控除されるからです。積立の運用商品の選択によって差は出ますが、ざっくり言えば自身の所得税率が利息になったと考えることができます。第2号被保険者であるサラリーマンなら、年末調整で控除分を受け取り、さらに次年度の住民税も安くなって手取りが増えるというまさに一石二鳥の制度です。例えば月々1万円ずつ年間12万円積み立て、所得税率が20%なら単純計算で2万円の控除であり、12万円の貯蓄を10万円で運用していることになります。

国民年金基金
 第1号被保険者(自営業等)の「老後の生活」への税制優遇制度で、こちらは「社会保険料」としてやはり所得から全額控除されます。前述の確定拠出年金と合わせて積立月額68,000円の上限はありますが、所得税率が高い人ほど優遇されることになります。控除や次年度の住民税への流れは確定拠出年金と同じです。

じぶんの積立(明治安田生命) 「生命保険(終身、定期、養老)に入っていない、今のところ必要ない」方で貯蓄を考えている場合に適している商品です。この商品の中身は「お金の積立」でありながら一般生命保険控除を受けることができるため、所得税率によって1年間で2,000円~16,000円程度が戻ってきます。月額積立額は5,000円、10,000円、15,000円、20,000円、積立期間は5年間(最低30万円、最高120万円)という制約がありますが、積立期間に万一解約しても積立額を下回ることはない数少ないノーリスク商品です。 一般生命保険控除は年間4万円までですから、所得税率20%の方なら1年あたり8,000円(4万円✕0.2)、5年「満期」(解約)で4万円が返ってきます。銀行の積立なら微々たる利息から利子税まで抜かれることを考えると、かなりの優遇商品と言えるでしょう。なお5年の積立期間終了後解約しなければ保険期間10年の生命保険として運用され、最終満期時には103%の返戻率が約束されています。

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by fp2-kojiro | 2017-07-17 10:15 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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