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2017年 08月 24日

ライフジャイロ(40)~個人年金保険のトリセツ③「確定拠出年金との比較」~

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個人年金保険か、iDeCo(個人型確定拠出年金)か
 最近ではCMでも目にするようになったiDeCo(個人型確定拠出年金)ですが、何だかお得というだけで、個人年金保険と比べて何がちがうのかしっかり理解している方はそう多くはないかもしれません。決定的な違いは「控除」の範囲です。

⑥積立てたお金は全額控除
 iDeCo(個人型確定拠出年金)で積立てたお金は、「小規模企業共済等掛金」として所得から全額控除されます。例えば、毎月1万円を積立てる場合、個人年金保険なら年間4万円の控除ですが、確定拠出年金の場合は年間12万円が控除されます。例えば所得税率が20%とすると、

 (個人年金保険の場合の戻り分)=40,000円×0.2=8,000
 (確定拠出年金の場合の戻り分)=120,000円×0.2=24,000

控除による戻り分はいわば積み立ての利息代わりですから、単純計算でも一年間で16,000円の差が生まれることになります。これが「お得」といわれれる部分です。言い換えると年単利20%の運用をしているのと同じことになります。なお、確定拠出年金の方には口座開設時および毎月一定額の手数料がかかりますライフジャイロ(25)~確定拠出年金(個人型DC)の正しい始め方~ )が、それを差し引いても2つの差は歴然です。
⑦確定拠出年金=投資信託ではない
 iDeCoの制度が改正され、ほぼ全国民が加入できるようになってから、マスコミ(特にTV番組)でも取り上げられるようになりました。ところがほとんどの内容は、「自分で年金を運用する」という部分だけが強調され、何か投資信託を選ばなければならないかのような情報発信でした。確かにある程度長い期間お金を積立てるという点で投資にはふさわしい条件ですが、貯蓄100%による積立ても可能です。利息こそ期待できませんが、控除による税金の戻りだけでも十分というやり方もありということです。

⑧最大のデメリットは解約できない

 確定拠出年金は一度始めると原則解約できません(解約は積立期間中の死亡時のみ)。また、職種によって拠出(積立)額に上限があります。一方の個人年金保険の方は、いざという時の解約、積立金額の幅の広さの他に、お勧めはできませんが解約返戻金を担保に貸付けを受けることもできます。
 個人年金保険、確定拠出年金どちらにも一長一短はあるものの、年金のための積立という目的ならどう考えても確定拠出年金の方に分があります。積立金額に上限はあるとはいえ、それ以上の積立が必要になる場合は極めて希です。また個人年金保険はいざという時には解約できると言っても、大きな損失を被るので解約不可とほぼ同じことになります。ですから個人年金保険を考えるなら、無理のない金額で確定拠出年金を始める方が得策と言えます。

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by fp2-kojiro | 2017-08-24 19:02 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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