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2016年 09月 10日

ライフジャイロ(14)~「ついでセールス」に明日はない~

d0334173_15450664.gif 昨今の住宅ローンの金利が下がったこともあり、「借り換え」に係るセールスが多くなっています。「貸してなんぼ」の銀行にとっては、本来の儲けの源である貸出金利を下げるわけですから、あまり景気のよい話ではありません。ですので最近では本来のセールスついでに、別のカテゴリーのセールスを仕掛けてくる場合があるようです。特に「保険」や「クレジットカード」は要注意。「お得な商品がありますよ」は誰にでも「お得」とは限りません。
 保険で言えば、そもそもお客の生活状況や人生設計も十分に把握していないのに保険を売ること自体無理があります。大概は売りやすい「医療保険」や「がん保険」などを、保証額と保険料の値段だけでセールスし、都合の悪い部分は決して口にしません。
 都合の悪い部分とは、お客が気づきにくい保険の内容や、誰もが受けることができる社会保険の仕組みです。

1)医療保険の主契約は「入院」である
 保険にうたわれる「通院」はあくまで入院前後のものです。ということは通院のみ(いわゆる外来治療)の場合はお金が出ないということになります。

2)治療は圧倒的に「外来」が多い
 厚生労働省のHPの「患者調査の概況-2 受療率」を見れば、入院受療と外来受療の差は歴然。国が行った調査ですから偽りが入る余地は無いでしょう。特に病院にお世話になる50歳以降だけを見れば、その差は開く一方です。つまり今は医学の進歩のおかげで「入院しにくい」のです。結果医療保険では治療費を賄えない場合が多いことになります。

3)健康保険には「高額療養費制度」がある
 医療保険を検討する前に、私たちは既に健康維持のための保険料(健康保険料)を支払っています。会社員や公務員の方は天引きなので自分がいくら払っているか把握すらしていないというのが実情でしょうが、給与明細を見ると結構な金額です。しかも自己負担が多額になる場合は年収にもよりますが「高額療養費制度」によって、健康保険による自己負担は最低約8万円を上回ることはないようになっています。この点を知られてしまうと売りにくくなってしまうため、保険屋さんでもそっと伏せておく場合があります。

4)治療のほとんどは健康保険対象
 「がん保険」でよく勘違いする部分ですが、高額だと思われるがんの治療は、ほとんどが健康保険対象です。「先進医療保証」なら国内未承認の治療法も含まれると思われがちですが、この類いは「自由診療」と呼ばれ、健康保険にも先進医療にもあたらない純粋な自己負担治療になります。先進医療とはあくまで保険診療のうちの「先進医療部分」のみが自己負担という仕組みです。

 「ついでセールス」はあくまで「ついで」。売る側は損得だけを強調し、契約が取れれば保険会社から歩合がもらえてラッキーくらいにしか考えていません。本当に必要なら契約する機会は他にあるはずです。

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by fp2-kojiro | 2016-09-10 17:59 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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