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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 03月 05日

保険の解剖学(2)~じぶんの積立~

保険の解剖学(2)~じぶんの積立~_d0334173_09490328.gif保険商品名
 じぶんの積立(明治安田生命)

商品の内容
 無配当災害補償付積立保険

特徴
 保険期間は10年。最初の5年間は一定額の保険料を払い込み、その後5年間は払込総額の1.1倍の災害死亡給付を保証額とする生命保険となり、満期時には3%上乗せの満期金を受け取る。

この保険のキモチ
 終身保険や定期保険などは途中で解約すると、払込金を下回ることが多い中、この保険はいつ解約しても100%の返戻金を保証するのが商品価値の肝。加えて支払期間を短縮することで満額払込前の解約リスク(契約者が途中で払込をやめてしまう)を回避している。また金融機関の積立預金と同じ性質ながら、保険の性質を持たせることで年末調整時の生命保険控除対象となり、所得税が安くなるメリットもある(預金の場合は反対に利子税が取られてしまう)。

契約へのふるまい
 積立金額は月額5,000円~20,000円。仮に5,000円を5年間振り込んで10年後に受け取るプレミアは、

  5,000円 ✕ 12ヵ月 ✕ 5年 = 300,000円(払込総額)
  300,000円 ✕ 1.03 = 309,000円(満期金)
 
 となり、10年待って9,000円受け取ることに価値を感じるかどうかでこの保険の選択が決まると言えます。ただし他に生命保険に加入していなければ(まずそんなことは無いとは思いますが)、最初の5年間は年4万円の生命保険控除を受けることができるので、所得税が20%の場合は

 40,000円✕0.2✕5年=40,000

が年末調整で還付され、実質の上乗せ額は49,000円になります(あくまで年末調整額分を手元に残しておくことが前提ですが)。
 金融機関の金利が軒並み雀の涙の今3%は魅力的ではありますがあくまで「10年もの」、1年あたり単純計算で0.3%ということです。しかも災害死亡給付金が最大で132万円(月2万円払込)というのも生命保険の保証額としては非現実的でしょう。ですから数年後何かの目的がはっきりしていてその資金作りのために貯金をしたい方に向いた商品と言えます。また、年齢が比較的若い方でさしあたって死亡保険を必要としていなければ、生命保険控除分(3万~4万円)を金利とする少額死亡保障付き5年もの定期貯金(最短5年経って解約する)と考えることができ、利回りの良い金融商品としての価値があります。

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by fp2-kojiro | 2017-03-05 11:07 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(2)
Commented by MK at 2020-07-07 14:18 x
15年ではなく10年ではないですかね?
Commented by fp2-kojiro at 2020-07-07 18:31
MKさん
 ご指摘いただき、ありがとうございます。おっしゃる通り保険期間は10年です。お恥ずかしながら訂正させていただきました。設計図の見落としが原因で誤った情報を載せてしまい、申し訳ありませんでした。また何か不審な点がありましたらご指導ください。


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