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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 05月 28日

ライフジャイロ(37)~遺族年金の基礎知識でファイナンスエコロジー~

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 一般の家庭で子育てに備え定期保険を検討する場合、保険金額をどのように決めたらよいか迷うところです。本格的に考え始めると心配材料は尽きませんが、社会保険で不足する部分を民間の定期保険で補うというのが正しい考え方です。つまり「遺族年金」の仕組みをしっかり理解することが大切で、そのことにより生命保険の保険金額を正確に引き出すことができます。
 通常20歳以上で一定の期間年金保険料を納付していれば、死亡した場合には「遺族年金」が給付されます。遺族年金には原則「基礎」と「厚生」で条件によっては他にも種類がありますが、まずは全国民が被給付可能な「遺族基礎年金」をしっかり把握することから始めましょう。遺族年金の給付を受けるには大きく3つの要件が関わります。「受給要件」、「保険料納付期間要件」「受給範囲」の3つです。

受給要件
 どういった場合に年金を受け取ることができるかということです。すでに老齢年金を受け取っていたり、受給資格期間(納付および免除合算25年以上)を満たしている人が死亡した場合に遺族年金が下りることは、保険料を納付しているのですからイメージしやすいと思います。ではそれ以外の現役世代はどうなるのか、知らなければきっと疑問に思うことでしょうが、原則下記の「保険料納付期間要件」を満たしていれば年齢に関わりなく第1子がいる場合誰でも同じ年金額(平成29年度現在 年額¥779,300+¥224,300)を遺族に残すことができます。これに第2子までは年額224,300円、第3子以降は74,800円が加算されます。

保険料納付期間要件
 原則では「死亡した月の前々月までに被保険者期間がある場合は、全被保険者期間の2/3以上あること」とあります。被保険者期間とは、納付済期間に免除期間(年収不足等で納付を免除される期間)を合わせた期間であり、その中で未納期間があったとしても最大1/3までなら遺族基礎年金の受給は可能だということです。

受給範囲
 遺族基礎年金を受けることができるのは、以下のどちらかの遺族です。
 ①18になって最初の3月31日までの(高校生なら3年生の3月末まで)
 ②18歳になって最初の3月31日までのを持つ夫、または妻
 第1子が高校生なら卒業後新しい年度に入った時点で受給は終了となります。第2子以降がいる場合は繰り上げ受給(第2子が第1子になる)が続きます。

 一般的に考えると、子が高校を卒業するまでは年間約78万円の公的生命保険金を受け取ることができるということです。第2号被保険者(主に給与所得者)ならこの金額に「遺族厚生年金」が加算されます。

 万一の事に対するお金について考える場合は、まず子が親の手を離れるまでどのくらいのお金がかかるかを試算し(「生命保険文化センター」のHP等で調べればすぐに分かります」)、遺族年金を基礎として不足と思われる金額を生命保険で補うようにしましょう。子の年齢が上がるにしたがって保障金額は減っていくこともお忘れなく。結果予定よりも浮いた分が出れば貯蓄等に回して「ファイナンスエコロジー」につなげましょう。

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by fp2-kojiro | 2017-05-28 14:33 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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