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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 10月 01日

「~バブル」の本当の姿

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 何か景気がよくなるような話題のことを「~バブル」と称することがあります。ですがそれは後に「バブル期好景気」と呼ばれた1990年前後の豊かな日本の光景になぞらえてその華やかさを表現している場合が多いのです。他にも「リストラ」(リストラクチャリング=会社再構築)が「人員整理」「解雇」「失業」としてとらえられているのも同じ類いの例です。


 「バブル」の基本構造…ある品目のふさわしくない価格上昇


 1985年アメリカの国内経済を救うための「プラザ合意」により、日本国内の輸出企業(特に自動車産業)の収益は大幅に下がることになりました。これをを避けるため、日銀は銀行への貸出金利を大幅に下げ、会社にお金を借りやすくして減益分を補えるようにしました。ところがそのお金を設備投資などに回すよりも、必ず値上がりすると考えられていた土地を持つことで、会社は資産を増やそうとしました。やがて同じようなことをする会社が増え、買える土地が少なくなっていくと、みんなが欲しがるものとしてその価値はんどん上がっていきます。


 「バブル」好景気…価格の上昇を担保に借りたお金が出回る


 担保(保証)の土地の価格が上がることで、それを換金すれば買ったときよりも儲かることがわかると、さらにお金を借りてまた別の土地を買って儲けようとしていきます。この繰り返しで土地の値段は天井知らずで上がっていくように思われました。ただの地面が「土地」という感覚にかかわる幻想(ビルが建つだろう、ゴルフ場で儲かるだろう)でとてつもない価格が付けられていった、これがまさしく「土地バブル」です。日本も豊かになったと思われた当時出回っていたのはこうしたお金が多く含まれていたのです。


 「バブル」の終焉…価格が高すぎることに誰かが気づく


 このまま土地が高くなりすぎていけば、一般の家庭では住宅を買うことはほぼ不可能になります。そこで当時の大蔵省(現在の財務省および金融庁)は、土地の価格を適正範囲に戻すべく、土地関連への融資を制限する行政指導を行いました。価格の高過ぎに気づいたのは国だったということです。
 
「バブル」の崩壊…担保で借金を返せなくなる
 
 行政指導により土地でお金を借りることができなくなると、今度は土地を手放してお金に換え始めます。やがて土地は余り出し、その価値は下がっていきます。手放し遅れた会社は借りたお金を土地で返しきれなくなり、その分を給料を下げたり大量解雇を行って補うことで経営を維持しようとしたため、失業者が増え不況が始まった。これが「バブル崩壊」です。


 バブル崩壊には土地だけでなく様々な原因がありますが、ざっとあらすじだけ追うとこんな感じです。自分の身の丈の範囲で土地を買っていれば、その分だけ資産が減るだけで済んだところを、「土地が下がることはあり得ない」という当時の風潮が後押しして、多くの人が借金をしてまで儲けようとした。これがバブルの本当の姿です。

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by fp2-kojiro | 2017-10-01 20:25 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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