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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 12月 10日

高校生からのファイナンシャルプランニング(16)~医療費控除~

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 1年間の医療費が10万円を超えると、「医療費控除」を受けることができます。医療費とは、病院やクリニックの窓口で支払ったお金の他、健康保険の効かないはり治療や接骨院等の施術代でも、治療目的であれば含まれます。また、処方箋投薬(病院外での投薬)や、市販の医薬品代も医療費の範囲内です。ただし、癒やしや美容を目的とした施術やサプリメントなどは対象外になります。ここで言う「医療費」は、あくまで健康な状態に戻るために必要な経費という意味合いです。
 ところで年間10万円の医療費とは、いっしょに生活をしている家族全員の合計額に適用されます。税金を納めているのがお父さんでも、お母さんや子どもが受けた治療費用は合算してよいということです。とはいっても普通の生活をしていて健康保険を使っていれば、10万円を超えることは極めてまれなことです。通常のサラリーマンなら会社から医療費の補填を受けることもありますから、さらに遠のく金額と言えます。ましてや独身ならなおのことです。
 しかしながら今年から「セルフメディケーション税制」が始まり、対象となる医療品購入費用が年間総額1万2千円を超えれば医療費控除を受けることができるようになりました。要するに医療費控除の特例が創設されたということです。


 医療費控除の特例
 スイッチOTC薬の購入対価が1万2千円を超えた分が所得控除
 ・定期健康診断、人間ドック、予防接種等の健康維持への取組み
 ・確定申告(年末調整では扱ってくれない)


 スイッチOTC薬とは、以前は医療用として使用されていたものを市販薬として転用したものを指します。薬のパッケージや薬局のレシートに表示されているものが対象となります。ですからレシートは必ず保管しておくことです。
 軽い病気やケガであれば、効き目が認められている薬を服用することで乗り切ることができ、わざわざ医療機関に出向く手間がなくなります。国としても年々ふくれあがる医療費負担を抑えることになり、その見返りとしてこの特例を創設したとも言えるでしょう。ただし、名称(セルフメディケーション)のとおり「自ら健康を維持している」ことによる特例ですから、定期健康診断をはじめとする健康維持活動も条件となります。ですが多くの場合は職場で定期健康診断が行われているはずですから、その結果を税務署に提出すれば事足ります。また控除を受けるには確定申告をしなければなりませんが、e-Taxや郵送を使えば自宅から申告することができ、領収書や健康診断書の提出も省略できます。地元の税務署のホームページなどで確認してみてください。


 税金を納めている人なら、控除はたとえ金額が少なくても「還付金」と「節税」いう形の残る節約につながります。普段の買い物で微々たる値段の比較をして得した気分になるよりはよっぽどましです。

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by fp2-kojiro | 2017-12-10 11:43 | 高校生からのファイナンシャルプランニング | Comments(0)


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