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2018年 02月 06日

過去問のツボ押し~ポートフォリオ理論~

2017年1月2級学科試験より

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 ポートフォリオは一言で言うと、投資リスクの低減を目指す理論に基づく運用手法です。投資が身近なものになってきた昨今を反映してか、金融資産運用セクションでは毎回出題されています。重要ポイントは「ポートフォリオの期待収益率」「リスクの低減効果に係る相関係数」「シャープレシオ」の3つですが、本問題はそれらを全て理解できる良問です。


ポートフォリオの期待収益率
 個別の証券が期待できる収益の確率(期待収益率)を、資産の構成比(どんな資産を何%持っているか)で修正し、合計したものが「ポートフォリオの期待収益率」となります。文章で表現してもわかりにくいので、解答肢2.を基に数式で表すと


 (2.5%×40%)+(6.0%×60%)=4.6%


ということです。要するに儲かる確率を構成比でならしてそのまま合計することで、「加重平均」とよばれるものです。


リスクの低減効果に係る相関係数
 組み入れる資産等の値動きが同じだった場合は、儲かるときは大きく、反対に損失も大きくなる「ハイリスクハイリターン」となります。一方値動きが異なる資産等を組み合わせれば、ある銘柄が損失を出しても反対の値動きをする銘柄があるのでそれをカバーできます。こちらは「ローリスクローリターン」。リスクが低くなればなるほど相関関係が-1に近づくというのが「リスクの低減効果に係る相関係数」というものです。ポートフォリオ理論の基礎中の基礎部分です。


シャープレシオ



分子の「ポートフォリオの収益率-無リスク資産の収益率」とは、預貯金のようなリスクのない資産運用と比較してどれだけ運用のパフォーマンスがあったかを表すものでその差を出すため引き算になっています。平たく言うと、リスクを背負いながらも高い運用結果を出した場合、預貯金に比べてどれだけ儲かったかという部分で、「超過収益率」とよばれるものです。シャープレシオは、この超過収益率を損得の幅を表す「標準偏差」で割ることで投資効率を見る指標です。つまりこの数値が大きい分母の標準偏差が小さい=損得のばらつきが少ない=より小さい数値で割るほど答えは大きくなる)ほど投資のパフォーマンスがよかったことを表します。


 正解:1.(最大→最小)


 なお、4.の「システマティック・リスク」は2級までなら守備範囲外ですので今後も正解に影響することはないので、ばっさり捨ててしまってかまいません。

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by fp2-kojiro | 2018-02-06 22:45 | 過去問のツボ押し | Comments(0)


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