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2019年 04月 30日

過去問のツボ押し~所得税の仕組み~

2019年1月2級実技試験(資産設計提案業務)より
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 所得控除と税額控除については、学科実技どちらにも頻出事項です。納税は国民の義務であり、公平に必要負担を考慮する関係でその仕組みは複雑にならざるを得ません。その点をきちんと理解しているかが出題の意図です。

 所得控除は、税金を計算するときに所得に課税されないもので、全部で14種類あります。イメージ図では中央部分に位置しています。税額を計算する基となる「課税所得」を算出する前の段階で控除されるものだということがわかります。

「ふるさと納税」が話題になったことにより、今まであまり扱われなかった寄付金控除が問題の主役として出てくるようになりました。一方、税額控除も様々なものがありますが、代表的なものとしては次の3つです。こちらは課税所得に税率をかけて仮の税額が決まってから差し引かれるものです。

「税額控除」とうたわない名称により、理解が浅いと所得控除と勘違いしてしまう部分です。(2017年5月の2級学科試験ではそこを突いた出題もありました。)

 さて、今回の問題は、返礼品等の問題で名前の広がった「ふるさと納税」を引き合いにした出題です。 素直に読めば2.の問題文は「寄付金控除」→「所得税額から控除」とあるので、上記の知識だけで不適切であることは明白です。

しかしながら、ふるさと納税は個人住民税の寄付金税制では税額控除の対象です。特に確定申告が不要になるワンストップ特例制度では「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を作成するため、税制をきちんと理解していないと「ふるさと納税=(所得税で)税額控除」と勘違いしてしまう所です。本問題はこの部分を利用してきたわけで、税制に対する理解の甘さを突く典型的出題例と言えるでしょう。

 (正解:2.)

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by fp2-kojiro | 2019-04-30 13:32 | 過去問のツボ押し | Comments(0)


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