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覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2019年 11月 19日

ライフジャイロ(51)~FPが考えるギャンブルの作法⑤「確率を下げれば、条件は現実的になる」~

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 (前稿「期待値が参加費を超えるギャンブルはあるのか」から)
 前稿では、競輪の「Dokanto! 7」の確率と期待値の関係から、キャリーオーバーの金額が9億5,659万3,800円を超えた時点で、参加者の方が有利になるギャンブルだということをお話ししました。ただし、この金額までキャリーオバーが続くことは極めてまれな出来事です。今までの記録でも、最高的中金額は4億8,426万6,440円で、9億に達するにはそれ相当の偶然が重なり合わなければ実現しないことがわかります。

 サイコロや宝くじ抽選によって選ばれる当選数字は、どんな理屈をつけようとすべて平等に発生することは間違いありません。ところが、競輪は競技である以上選手同士の実力差が関わることにより、数字の当たりやすさに偏りが生まれます。ここが大きく異なる点です。

 最近の競輪には、外国人選手が参加するシリーズがあります。野球や競馬など、最近では外国をしのぐ競技も出始める中、自転車競技に関しては、いまだ外国との差は歴然です。当然外国人選手が出走するレースはほぼ違わぬことなく彼らが1着になる傾向が強いのです。

 シリーズには2名の外人選手が参加し、初日開催では1名ずつ異なるレースに出走します。その開催がDokanto! 7の対象になると、確率は飛躍的に上がります。

 7レースの1着を連続して当てる確率
 1/9の7乗=1/4,782,969 

 7レースのうち、2レースが外国人選手出走で、1着と考えた場合
 1/9の5乗× 1/1 × 1/1 =1/59,049

1口の金額200円なので期待金額は

 59,049×200円=11,809,800円

参加時点のキャリーオーバーが1,180万9千800円以上であれば、期待値は参加費(1口)200円を超え、賭ける側に有利なギャンブルであることがわかります。しかもキャリーオーバーは最高12億円まで設定されていますから、理論上は参加者が勝ちやすいギャンブルと言えます。

ただ、車券はコンピュータがランダムに選ぶクイックピック方式で、キャンセル再購入は10回までとなっています。ここが最大のネックですが、裏を返せば条件に該当しない車券は外れということなので、うまく車券が買えなかったとしても、200円を無駄遣いせず負けずに済んだことになります。

 本稿は極めて地味な内容でしたが、ギャンブルで少しでも勝とうと考えるなら、こういった積み重ねはとても大切です。確率の高さ(当選本数増)をあおる文言や当選金額に目を奪われて大切なお金を失っていくことほど愚かなことはありませんその典型が宝くじです今回の話を理解していただけた後なら、夢を買うにはあまりにも高すぎるのは明らかなことなのがおわかりいただけると思います。参加者側に少しでも有利なギャンブルに参加する。そうでない場合は遊びと割り切り、自分の経済範囲で出し入れを楽しむくらいにしておく。これがギャンブルの作法と考えます。

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by fp2-kojiro | 2019-11-19 11:56 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)


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