覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2016年 09月 24日

マネーゲインの条件~お金を増やそうと思う前に考えること~

d0334173_09522957.jpg 超低金利の今、資産の運用は自己責任になりつつあります。NISA等はそのいい例で、「銀行に預けていても大して儲かりませんから、どうです、投資でもして一発儲けてみませんか」と言わんばかりの政策がそれを物語っています。
 投資には元本割れ(最初のお金が目減りしてしまう)をはじめとするリスクはつきもの。だから「絶対儲かります」「元本100%保証」の誘い文句があれば、100%それは詐欺となります。ただ、リスク云々を考える前に、投資などのマネーゲインを目指した時点で既にそれ相当のハンディを背負っています。それは何かといえば金儲けに参加するための「手数料」です。
 投資信託を例にとると、金融商品を購入する際に「購入時手数料」、商品の保有には「運用管理費用(「信託報酬」とも言う)」、そして現金化する(つまり「解約」)際には「信託財産留保額」がかかります。これらは少なく見積もっても合計で1.5~2%になりますから、投資金額100万円とした場合、スタート時点で既に99万円を切るほどになっているということです。この100万円を100m走に置き換えると、1.5mくらい後ろからスタートして、本来の100mスタートの選手に追い着いてはじめて元本保証。儲けるためには更に数mぶっちぎらなければなりません。株式投資でもFXでも、やはり仲介業者は売買を仲介する対価として手数料を取っていますから、ちがいは「金儲け」を他人に任せるか自分でやるかだけです。老後の生活資金を投資信託などで増やそうと考えるなら、まずこの点を十分理解することです。
 こういった投資が銀行や証券会社が仲介しているため「ギャンブルではない」と勘違いしている方が多いですが、「1円支出で1円以上の収入を目指す」点ではギャンブルと同類です。ただ競輪競馬といったギャンブルがなかなか儲からないのは、投票券購入時点で胴元(開催主)である国や地方公共団体に「控除額(胴元に支払う手数料)」を25%も取らているからです。つまりスタートラインから25m下がって100m走を戦い、更に数mのリードでゴールしないとプラス収支にならない不合理な世界ゆえ、お金を託すのが「危ない」のです。宝くじにいたってはこの控除額は40~50%に跳ね上がりますから勝つ(当選し儲かる)こと自体まずあり得ないわけで、投資したお金(すなわち購入金)の何割かが「胴元」である官僚OBの天下り団体に流れていることも考えると、「◯◯ジャンボ」だから奮発して万札を振り回すこと自体かなりのリスクとばかばかしさを背負っていると言えます。
 マネーゲインのコツはただ一つ、プラス収支になった時点で現金化、すなわち「売り抜き」「勝ち逃げ」しかありません。手数料や経費を含め回収率が100%を超えた時点がマネーゲインのゴールと考え、次のことを考えるサッカーのような振る舞いが限られた人生では必要だと思います。

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by fp2-kojiro | 2016-09-24 11:54 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2016年 09月 19日

ライフジャイロ(15)~特約は割り算で判断~

d0334173_08581173.jpg 保険商品には「特約」というものがあります。例えば医療保険主契約である「入院給付金(入院費の日額)」だけでは他社とのちがいを出しにくいため、多くはこの「特約」で差別化を図ります。「入院前後の通院につき…円」「先進医療を受けたら最高…万円」等のうたい文句がそれです。ただ、特約はあくまで「おまけ」ですから、それ単独では契約することができません。お菓子のグリコとおまけの関係と同じで、主契約(グリコ本体)を買わずに特約(おまけ)だけを買うことはできないというわけです。
 Webやパンフレットの特約はどれも魅力的な内容です。ですから知識が無ければ何を基準に判断すればよいか分からないものです。そこで、保険料と保証金額との相関関係に注目します。言い換えれば、保険料の金額に対し、会社がどれだけの保証を準備しているかを計算すればよいのです。やり方は至って簡単。保険料を該当保証金額で割れば、保険料に見合うおよその支払い確率が分かります

例:A社終身医療保険
  ・契約年齢(性別)…40歳(女性)
  ・払込期間…65歳満了(26年支払い)

(主契約)入院給付金(5,000円/日)…保険料:1,985円/月

まずはこれが基本料金です。ちなみに26年支払いですから支払総額は1,985円✕12ヵ月✕26年で619,320円になります。多くの場合ここから「特約」を追加契約していく流れを踏みます。ちなみにこの契約だと、「619,320円÷5,000円≒123日」、あくまで単純算出ですが、一生涯で124日以上入院すると元が取れることになります。

(特約1)手術給付金(入院+手術)=5万円/回…保険料:790円/月
     →790円÷50,000円=0.0158(1.58%

(特約2)疾病・災害入院時一時金(入院時に無条件で支払い)=5万円/回…保険料:1,000円/月
     →1,000円÷50,000円=0.02(2.00%

(特約3)先進医療=通算2,000万円…167円/月
     →167円÷20,000,000円=0.00000835(0.000835%

保険会社は確率統計で保険料を試算設定しているはずです。特約1と特約2を見ると、どちらも同じ5万円の給付なのに設定価格が異なるのは、手術になる確率よりも入院だけで済む確率の方が高いということを物語っています。また、「先進医療」に関しては比較以前のレベル(受診できる確率が極めて低い)ですが、「先進医療」というワードバリューと破格の保険料との差が商品価値を高めていると言えます。魅力的なおまけを付加することで本体を売りやすくするカラクリがここです。あくまで主契約の総額619,320円をいかにして上手に売るか、これが保険会社のビジネスの最大使命なのです。

 相談窓口型の保険販売会社では「無理なセールスはしません」と言いつつも、プロであるが故上手に契約に結びつける術を身につけていると心得ましょう(相手だって生活がかかっています)。多くの契約は確かに入っていて損はありませんが、販売員の言われるがままで保険料を払う側の何らかの意思が反映されていなければ、やはりそれは無駄な出費と言えます。

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by fp2-kojiro | 2016-09-19 11:28 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2016年 09月 11日

謝食道(27)つむぎ食堂 ~愛知県名古屋市天白区~

 まだ夏の暑さが残る9月の日曜日、前々から予定していた所用のため、名古屋の地下鉄に乗って塩釜口に向かった。駅から地上に出ると、目の前の飯田街道はことのほか車の往来が多く、駅の向こう側に渡る信号待ちもずいぶん待たされる気がした。道路を横断し南下することことしばし。「元八事四丁目」の交差点を右に曲がりさらに少々歩くと、左手に「つむぎ食堂」を見つけた。アジアンテイストの雰囲気が漂うこぢんまりとした店内は、少々長く歩いた後の身にはどこかしっくりくる気がした。オーダーの「タジン鍋の蒸し焼きハンバーグ」は、ハンバーグに混ぜられた軟骨のアクセントとくるみ味噌のソースがうまくオリジナリティを演出し、わざわざ来てよかったと思わせる一品だった。

 申長月某日 つむぎ食堂(愛知県名古屋市天白区元八事3丁目18)
d0334173_11523568.jpg →home


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by fp2-kojiro | 2016-09-11 14:35 | Comments(0)
2016年 09月 10日

ライフジャイロ(14)~「ついでセールス」に明日はない~

d0334173_15450664.gif 昨今の住宅ローンの金利が下がったこともあり、「借り換え」に係るセールスが多くなっています。「貸してなんぼ」の銀行にとっては、本来の儲けの源である貸出金利を下げるわけですから、あまり景気のよい話ではありません。ですので最近では本来のセールスついでに、別のカテゴリーのセールスを仕掛けてくる場合があるようです。特に「保険」や「クレジットカード」は要注意。「お得な商品がありますよ」は誰にでも「お得」とは限りません。
 保険で言えば、そもそもお客の生活状況や人生設計も十分に把握していないのに保険を売ること自体無理があります。大概は売りやすい「医療保険」や「がん保険」などを、保証額と保険料の値段だけでセールスし、都合の悪い部分は決して口にしません。
 都合の悪い部分とは、お客が気づきにくい保険の内容や、誰もが受けることができる社会保険の仕組みです。

1)医療保険の主契約は「入院」である
 保険にうたわれる「通院」はあくまで入院前後のものです。ということは通院のみ(いわゆる外来治療)の場合はお金が出ないということになります。

2)治療は圧倒的に「外来」が多い
 厚生労働省のHPの「患者調査の概況-2 受療率」を見れば、入院受療と外来受療の差は歴然。国が行った調査ですから偽りが入る余地は無いでしょう。特に病院にお世話になる50歳以降だけを見れば、その差は開く一方です。つまり今は医学の進歩のおかげで「入院しにくい」のです。結果医療保険では治療費を賄えない場合が多いことになります。

3)健康保険には「高額療養費制度」がある
 医療保険を検討する前に、私たちは既に健康維持のための保険料(健康保険料)を支払っています。会社員や公務員の方は天引きなので自分がいくら払っているか把握すらしていないというのが実情でしょうが、給与明細を見ると結構な金額です。しかも自己負担が多額になる場合は年収にもよりますが「高額療養費制度」によって、健康保険による自己負担は最低約8万円を上回ることはないようになっています。この点を知られてしまうと売りにくくなってしまうため、保険屋さんでもそっと伏せておく場合があります。

4)治療のほとんどは健康保険対象
 「がん保険」でよく勘違いする部分ですが、高額だと思われるがんの治療は、ほとんどが健康保険対象です。「先進医療保証」なら国内未承認の治療法も含まれると思われがちですが、この類いは「自由診療」と呼ばれ、健康保険にも先進医療にもあたらない純粋な自己負担治療になります。先進医療とはあくまで保険診療のうちの「先進医療部分」のみが自己負担という仕組みです。

 「ついでセールス」はあくまで「ついで」。売る側は損得だけを強調し、契約が取れれば保険会社から歩合がもらえてラッキーくらいにしか考えていません。本当に必要なら契約する機会は他にあるはずです。

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by fp2-kojiro | 2016-09-10 17:59 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)