覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2016年 11月 23日

「控除」というエコ思想

d0334173_08491037.jpg 生活に何の心配も無い方は別として、多くの方は将来の生活設計のため、また日々の生活のためにお金をやりくりし、そのために節約等をはじめると思います。そしてしばらくすると分かることですが、出費を抑えたり安い物を買う等の努力をしていても思ったほど家計は改善されず、期待する金額が遙か遠くの蜃気楼のように感じてしまい、いつの間にか「まあいいか」と妥協する回数が多くなり、節約の意識が薄れていきます。その原因は多くの場合節約による見返りを実感できないのからです。つまり浮くべきお金がどこかに行ってしまっていて、それがどこに反映されているのか分からない。だから続かないのです。
 それでも少しでも家計を改善したいと思うなら、「控除」という節約を使いましょう。つまり所得金額を控除(減額)することで、既納税を取り戻すのです。こつこつバントで塁を稼ぐだけではなく、ストライクゾーンをきちんと見極めて2塁打くらいを打つことは、拙提唱の「ファイナンスエコロジー」では誰でも可能です。
 家族全員の医療費が勤務先からの補助や保険金補助を除いて10万円を超えれば「医療費控除」を受けることができます。詳細は”ライフジャイロ(21)~レシートで医療費控除&節税~”で既述ですが、治療に関する領収書やレシートをこまめに保存することで一定金額のお金が戻ってきて、翌年の所得税の金額も減額されます。該当すればまさに一石二鳥と言えるでしょう。その他”ライフジャイロ(22)~確定拠出金(個人型DC)で超高利運用~”で既述の「小規模企業共済等掛金」は、掛け金による貯蓄が全額守られた上に掛け金自体が全額控除です。子どもの年金を支払っていればやはり掛け金全額が「社会保険料控除」になります。いずれも絶対必要な出費から一定金額(所得税率分)が戻ってくることになるので、不合理なく節約の見返りを十分実感できます。もちろん所得から控除されるので、医療費控除と同様に翌年の住民税も減額され、結果手取りが増えることになります。
 「控除」という考えは何も税金だけに当てはまるものではありません。食費や光熱通信費、生命保険料等の必要生活支出を現金や口座引き落としで決済しているなら、クレジットカード決済にシフトするだけでポイントとして返ってきます(特に生命保険料の支払いがクレジット決済できることを知らない方は意外に多いです。該当する場合は一度契約先のHPで確認するといいです)。さらに”ライフジャイロ(3)~プリペイド型クレカで金利効果~”のようなシステムを使えば、意識しないでも確実にお金が口座に積み重なっていきます。つまり「支出の控除」です。ポイントカードで割り引いてもらった金額をこつこつ口座に入金しておく習慣を身につけることで巷の預貯金の利子を遙かにしのぐ金額が口座に残されていく。やはりこれも「支出の控除」です。
 こういった目に見える節約は、知らなかったり実践しなければそのメリットを享受できません。反面少々嫌みな言い方をすれば、節約なんてめんどくさいという人が多くいるから成り立つのです。実践するしないどちらのグループに属するかはその人の自由ですが、格差社会という言葉が一般化して久しくなった今、他人をねたむことなく豊かさを味わう工夫は大切だと思います。

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by fp2-kojiro | 2016-11-23 10:41 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2016年 11月 19日

ライフジャイロ(22)~確定拠出年金(個人型DC)で超高利運用~

d0334173_07240651.jpg 「確定拠出年金」とは、簡単に言うと将来の年金に上乗せするための出資です。つまり、満期が60歳以降の長期定期預金で中途解約が原則不可の金融商品と考えると分かりやすいですかね。ただ通常の貯蓄とのちがいは、”超高利回り”金融商品という点です。このことを知らないままでいると、生涯手元に残る財産に大きなちがいが出てきます。さらに、今までは自営業等の第1号被保険者(国民年金のみ加入)や民間の給与所得者だけのものでしたが、2017年からは第3号被保険者(いわゆる専業主婦)や公務員も加入することができるようになります。今回の改正で朗報とも言える公務員の方を例にとって説明しましょう

出資できる金額
 まず出資できる上限は年間14万4千円、月額にすると12,000円になります。リタイア後の資金を貯蓄で賄っているなら、是非ともこの分だけ確定拠出年金(個人型DC)にシフトしてみてください。

出資金すべてが所得控除
 超高利回りと言える根拠がこれです。例えば、上限いっぱいの14万4千円を一年間出資した場合、年末調整において「小規模企業共済等掛金」として所得から全額控除されます。すると所得税の税率によって違いは出ますが、年収600万円の方でだいたい20%くらいが所得税率(住民税を含む)ですから、単純計算で”144,000円 ✕ 0.2=…”28,800円が還付されることになります。もうお分かりですよね。年間14万4千円を貯金し、28,800円の利息が付いたことになるんですよ。しかも利回りはなんと20%。税率分が預金利率になったということですね。所得に関する税金は1年間で精算するため残念ながら単利運用(本年度分を翌年に持ち越さない運用)になりますが、同金額を普通に貯蓄した場合は、吹けば飛ぶような利息に利子税まで搾取されるだけで終わるのですからこの差はかなりのものです。

商品選びは個人判断で
 既述の例は出資をすべて定期預金タイプにした内容ですが、掛け金(出資するお金)を定期預金に何割、投資信託に何割と配分比率を指定することができます。リスクを考慮してより高い運用を目指すなら投資信託の割合を増やしてみるのも一手です。ただし”マネーゲインの条件~お金を増やそうと思う前に考えること~”で既述のとおり、投資信託には「購入時手数料」、「運用管理費用」、「信託財産留保額」といった手数料がかかることも考慮してください。リスクや手数料がいやなら定期預金100%が確実です。

 なお個人型DCのセールスは、銀行や証券会社ではあまり積極的ではないと聞きます。内容をよく理解して出資を決意したなら、自ら足を運ぶ必要があります。 
 また定年まで残り少ない50代の方でも、若い方に比べれば所得は高くその分税率も高いのですから、所得控除の税金還付だけでもメリットは十分にあります。投資信託に自信があれば割合を上げて高利回りを目指してもいいのです。ただしあくまで「自信があれば」の話ですが。

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by fp2-kojiro | 2016-11-19 09:24 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2016年 11月 12日

ライフジャイロ(21)~レシートで医療費控除&節税~

d0334173_09570410.gif 11月を過ぎる時期に始まる「年末調整」は、給与所得者の所得税を精算するものとして多く知られるところですが、その他にも精算できるものがあります。例えば納税者の家族で災害や盗難の被害に遭った場合は「雑損控除」、ふるさと納税などでポピュラーになった「寄付金控除」などがありますが、最も身近なのは「医療費控除」でしょう。申告には支払いを証明する領収書が必要になりますから、普段から医療に関する領収書は保管しておくとよいです。

控除額(所得から差し引いてくれる額)

①支払った医療費
 その年の1月1日から12月31日までに医療に関して支払った金額のことです。したがって、年内に医療は受けたけど未払いのものは対象外になります。要するに領収書の日付が対象基準ということです。また納税者本人の医療費だけが対象と思っている方が意外に多いですが、生計を共にしている家族全員の医療費も対象です。つまり納税者家族全体の総医療費について控除を受けることができるのです。
 医療費というと病院やクリニックの窓口支払いだけだと思いがちですが、「はり灸マッサージ代」も治療目的なら対象になります。また松葉杖などの医療器具購入費も対象です。
 さらにドラッグストアで購入した絆創膏も、治療目的ならやはり控除対象です。風邪薬、胃薬、湿布などの代表的なものをはじめ、ケガを治すために購入したバンドエイド、乗り物酔いを改善するための「酔い止め薬」なども該当例ですが、あくまでも「治療目的」ですから、ビタミン剤や健康増進のサプリメント類は必然的に対象外になります。なお薬代は領収書の他、レシートでもOKです。
 人間ドックの費用については、重大な疾病が見つかりその後治療を行った場合は医療費としてみとめられます。人間ドックで早期ガンの診断を受け、病院で治療を受けた場合などがその例ですが、重病の疑いがあっても受診(受診の費用は対象)の結果陰性だった場合や、高血圧の診断を受けて治療を受けた(治療費は対象)場合などは対象になりません。つまりポイントは「重大な疾病」が判明した場合で、短期間に命にかかわるものが対象と理解しておきましょう。

②給付金
 医療保険や特約などの保険金や勤め先からの医療費補助のことです。

③10万円
 最終医療費合計が10万円を超えた部分について控除を受けることができることを意味しています。なお課税標準(端的に言えば「所得総額」)が200万円未満なら「課税標準の5%」になります。仮に課税標準が200万円なら5%は10万円になり、これが基準となっているわけです。課税標準が200万円に満たないのに同じ10万円では不公平になるためこの決まりがあるのです。ですから医療費控除を受ける場合は源泉徴収票(原本)の提出は必須です。

控除を受けるには…
・必ず「確定申告」(年末調整では扱ってくれません)

申告に必要な物
・年間の医療に関する領収書およびレシート(申告後5年間保存義務)
・給付金受給を証明する書類(形式は自由)
・源泉徴収票の原本
・還付金を受け取るための金融口座

 最近はe-TAXでネット上から簡単に申告できるようになりましたが、マイナンバーカードやカードリーダーが必要です。ただ現在カードリーダーが手元になく、今後も使う機会が極めて少なければ、少々時間を取られますが管轄の税務署に出向いて確定申告をする方がいいと思います。ちなみに私は「税務署出向き」組です。
 申告が受理されると還付金が振り込まれます。金額は多くの場合わずかですが、所得が控除されたことで、翌年の県市民税等が(前年の所得で算出されるため)安くなるメリットもあるのです。

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by fp2-kojiro | 2016-11-12 11:56 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2016年 11月 08日

ライフジャイロ(20)~生命保険と税金の関係~

d0334173_08215337.jpg 不幸にも家族の誰かが他界し、その方が生命保険の被保険者であれば遺族に「死亡保険金」が支払われます。この「死亡保険金」は、亡くなった方が家族のために残したお金なので相続の一部と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。場合によっては一時所得や贈与として納税を求められることがあります。

1)生命保険契約の急所
  
 ・「契約者」…毎月の保険料を支払う人
 ・「被保険者」…保険をかけられる人(亡くなる予定の人)
 ・「受取人」…保険金を受け取る人

 税金を考える上でのポイントは以上の3つです。

2)「契約者」と「受取人」が同じの場合
 
 夫が保険料を払っていて、妻の死亡により夫自らが保険金を受け取るケースです。死亡保険金は支払い保険料の総額よりも圧倒的に多額ですから、割のよい金融運用を行ったと見なされてしまいます。この場合「一時所得」として所得税の対象になります。経費(支払った保険料)や50万円の特別控除は考慮されますが、競馬競輪や懸賞金などと同じ扱いになります。

3)被保険者と受取人が同じの場合

 夫が保険料を払い、自分に生命保険をかけているケースです。夫が自分の死亡と引き替えにお金を遺したことになりますから相続と見なされます。よって相続税の対象になります。ただし500万円までは非課税です。

4)契約者、被保険者、受取人が異なる場合

 亡くなった妻、つまり母親が子どもにお金を遺したように思われがちですが、その保険料を支払ったのは父親である夫です。つまり、母の死亡を機に、父親(夫)から子にお金を渡したことになります。したがってこの場合は贈与税の対象になります。通常贈与税は考えられる経費がほとんど無く(ただ「もらう」だけですから)、控除も少ないため納税額も割高です。

 機会を見て一度保険証の「契約者」「被保険者」「受取人」の部分をチェックしてみるといいと思います。もし自分が考えていた内容と異なるようであれば、契約保険会社に申し出て「契約者」または「受取人」の変更をしましょう。

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by fp2-kojiro | 2016-11-08 09:23 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2016年 11月 05日

ライフジャイロ(19)~年末調整での扶養者の扱いに注意~

d0334173_08310843.jpg 給与所得者の多くは、11月を越えた頃に「年末調整」が行われます。勤め先では「年末調整に関するお知らせ」の類いが配られても、なじみのない内容が細かい字でびっちり書かれていて、「ああ、生命保険のはがきで年末にお金が返ってくるやつか」ぐらいの感覚で詳しい人に聞きながら書類を作成している方が多いと思います。
 ところで年末調整はあくまでも「調整」なので、お金が戻ってくるばかりではありません。場合によってはその逆つまり「追納」もあります。年が明けて年末調整のやり直しを求められるなんて気分が悪いですから、基礎的な押さえをしておきましょう。保険関係でのトラブルは少ないですが、扶養者の扱いで思わぬ事態に出くわすことがありますから注意しましょう。

モデル例

①扶養者の判定
 今回の例では、春男さんの給与で妻と子ども2人が養われている状態です。妻と子どもは「養われる」のですから本来「収入がない」ことが前提ですが、ある程度の収入(例えばパートやアルバイト)は認めましょうという基準があります。



1月1日から12月31日までの収入合計(年収)から65万円(これを「給与所得控除」という)を引いて、38万円以下なら収入0円の扶養者として認められるということです。わかりにくければ上記の一次不等式の-65万円を移項すると、


となり、年収103万円以下なら税法上晴れて「収入なしの扶養者」になれるわけです。ニュースなどでよく耳にする「103万円の壁」とはこのことです。

②子どものアルバイトに注意
 春男さんが勤務先で年末調整の書類を作成するとき、扶養者の年収を記入します。12月の給与と合わせて調整額を支給するため、多くは11月中旬頃が締め切りです。そのため年収は見込みで申告することになります。
 夏子さんは主婦パートの仲間や勤務先で「103万円の壁」を知っている可能性が高いので、本人から聞いた月収を12倍すればほぼ間違いないでしょう。
 冬美さんも高校生ですから、無断でアルバイトをしていない限り年収はあり得ないと考えて差し支えないと思います。
 問題は長男の秋郎くんです。大学生ともなれば自由気ままに生活をしていることが多いですから、どこでどんなアルバイトをしているか把握しにくくなります。しかも大学生で「103万円の壁」を知っている可能性は薄く、知らないところで少し割のいいアルバイトに精を出していていると、場合によっては年明けに春男さんが修正申告する羽目になります。また、扶養手当の対象から外れることも考えられ、そうなると遡って扶養手当を返納する可能性も出てきます。

③扶養手当の落とし穴
 年末調整とは少し離れますが、春男さんの勤務先が扶養手当を支給する基準もあります。多くの場合、130万円を12ヶ月で割った金額をたとえ一月でも超えた場合、扶養手当が止められてしまいます。

 130万円÷12ヶ月≒10万8,333円(賞与は除く)

どういうことかというと、年収が130万円以内でも月収ににばらつきが大きく、仮にある月に10万8,333円を超えてしまうとその時点で扶養から外れてしまうということです(賞与は例外)。ですので扶養を考える上では、パートも月ごとに一定額(10万8,333円を超えない)を得るものに従事する必要があります。

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by fp2-kojiro | 2016-11-05 13:16 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)