覆面ファイナンシャルプランナーのFP道

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2017年 02月 26日

ライフジャイロ(35)~保険の価値はリスク回避にあり~

d0334173_11271118.jpg どんなに気をつけていても人生常に順風満帆とはいきません。未来を予知できない限り、日常生活の中では様々なトラブルに遭遇するものです。この予測不能の非常事態は一般には「リスク」と呼ばれますが、これを回避するために私たちは様々な保険商品を購入しています。
 一口にリスクと言っても、簡単に対処できるものもあれば、とても手に負えないものまでその程度は様々です。ですから保険とは人生で致命的な痛手を回避するためのアイテムと考えるべきです。そして保険料は掛け捨てが原則です。大きなリスクはそう頻繁に起こらないけれども起こってもらっては困るからお金を払うというのは、宝くじの反対と考えれば分かりやすいでしょう。こちらは当たってほしいけれどもまず当たらない。でも買わなければ当たらないからお金を出す。どちらも「掛け(賭け)捨て」ということです。
 例えば自動車を運転するのになぜ任意保険に入るかと言えば、万一事故が起こったときに自分の支払い能力を超える可能性が十分考えられるからです。火災保険や地震保険も同じことで、こういった損害保険に関しては掛け捨てでも気にならないのに、なぜか生命保険や医療保険となると保険の考え方が変わってしまう方が多く見られます。どちらもリスクに備える同じ「保険」なのに、です。
 終身保険は死亡保険の代表で満期は死亡時です。でもよく考えてみれば死亡に対するリスクはゼロ、なぜなら人は遅かれ早かれ死ぬことは明らかなのです。だから終身保険は死亡時の何かをカバーするというよりも貯蓄性の高い商品と考えるべきです。一定時期に解約返戻金を受け取る他、払済保険という手段も検討できます。反対に定期保険は一定期間内での万一の事態に備えるためのものであり、家庭を守る損害保険のような存在です。ですから保証額はきちんとした将来設計に基づいた金額にしておかないと、不必要な出費を生むことになります。
 医療保険などは終身型(死ぬまで保険料を支払うタイプ)の場合死亡年齢を設定し、そこから算出した支払い総月数に保険料をかければ総支払額が分かります。例えば40歳加入保険料1,700円の終身型医療保険を検討する場合、75歳を寿命として支払総額を計算すると

 1,700円 ✕(75歳ー39歳)✕12ヵ月=864,000円

この864,000円で目の前の保証内容が高いのかお得なのかを検討することがリスクを考えることにつながるのです。いざ病気になったときには健康保険が使えます。また高額療養費制度で大幅な出費にも備えられます。表面上の保証内容だけでなく、リスクを回避するといった考えで保険を見ておかないと結局は無駄な出費だったということになりかねません。

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by fp2-kojiro | 2017-02-26 14:59 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2017年 02月 25日

ライフジャイロ(34)~相続への備え~

d0334173_14191620.jpg 不幸にも親族のどなたかが他界されたとき、否が応でも「相続」が発生します。しかしながらいざその時になると、何から始めたらよいのかしっかり把握できている方はそう多くないでしょう。自身の父親が数年前この世を去った当時も今ほどの知識が無く、諸々の処理に多くの時間と労力を奪われていきました。ですので、最低限の基礎知識だけは備えておいて損は無いと思います。相続もFPの守備範囲ですから、一般的なケースならほぼ自分で判断できるくらいの知識は提供できますが、まずは相続を始めるための主な知識を身につけておきましょう。

1)戸籍を準備する
 相続が発生したら、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡時までの戸籍すべてを準備しなければなりません。これがないと相続人を確定することができないだけでなく、金融機関は被相続人の預貯金の解約に応じてくれません。死亡時の戸籍で出生が分かれば問題はなのですが、出生が明らかでない場合は親族などの情報を頼りに、出生時の戸籍がある場所で戸籍を入手しなければなりません。出生から現在までをつなぐ戸籍類を一般には「原戸籍」と呼びます。

2)相続人
 基本は「配偶者」と「血族」しか相続人になれないと覚えておいてください。つまり遺言などの指定相続要因がない通常の場合では配偶者は常に相続人であり、その他は亡くなった方と血がつながっていなければ相続人になることができません。

 配偶者(常に相続人)→子、養子(第1順位)→直系尊属(第2順位、父母、祖父母のこと)→兄弟姉妹(第3順位)

 このような順序で「相続の土俵」に上がるイメージを持ってください。第2順位以降は配偶者および子がいる限りは土俵にすら上がれません。ましてや血のつながっていない相続人の配偶者などは基本的には蚊帳の外ということになります。

3)相続の熟慮期間は3ヵ月
 相続人になると、相続をするかどうかを選択できます。ただしタイムリミットは、相続開始を知った日から3ヵ月以内と決められています。この3ヵ月を超えると原則の「単純承認」といって資産および負債をすべて相続することになります。

 ・単純承認…資産と負債すべてを相続すること。
 ・限定承認…資産分の範囲内で負債を相続すること。負債が資産を超える場合に検討される。相続人全員の申し出が必要になる。
 ・相続放棄…資産と負債をすべて相続しないこと。単独で申し出ができる。

なお、申し出先は家庭裁判所です。

 以上の内容はあくまで相続の入り口と思ってください。実際にはここから相続財産の分配や相続税の処理が始まります。タグ”相続・贈与等”に重要事項を既述していますので、関心が向いたら参照してみてください。

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by fp2-kojiro | 2017-02-25 14:49 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2017年 02月 19日

ライフジャイロ(33)~家を売ったときは3,000万円の控除がある~

d0334173_10563376.jpg 相続その他の諸事情で不動産を手放す機会があります。その場合の土地や建物を売却した際の収益は、「譲渡所得」として課税されます。「譲渡」とはおおざっぱに言えば自分の所有物を換金する行為で、譲渡したものによって所得の扱いが区別されています。土地建物といった不動産は大きい金額が動くため、一定の決まりがあります。

1)譲渡所得の原則

 譲渡所得=収入金額ー(取得費用+譲渡費用)

 「取得費用」「譲渡費用」とは購入代金の他、仲介手数料や登記にかかる税金などを指します。要するに譲渡に必要な経費と考えればよいでしょう。

2)居住用財産の特別控除

 譲渡所得(譲渡益)ー3,000万円(特別控除)

 つまり家などの居住用財産を売却して得た純利益が3,000万円以下であれば課税はされないようになっています。ただし、課税額が0円の場合(課税されない場合)でも必ず確定申告をしなければなりません。バブル時代のような土地神話が崩壊した今、3,000万円を超える譲渡はなかなかお目にかかれませんが、万一超えた場合にも「居住用財産の軽減税率の特例」といって、所有期間が10年を超えた居住用財産であればある程度まで税金が安くなる制度も用意されています。詳細は”FP試験<急所30>居住用財産の譲渡の特例②~各特例の要件~”を参照してみてください。

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by fp2-kojiro | 2017-02-19 11:37 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2017年 02月 11日

ライフジャイロ(32)~医療費控除には特例がある(スイッチOTC医薬品)~

d0334173_06495251.jpg 従来の医療費控除制度に「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が新たに併設されました。今までは医療費実費(保険等の補填金を除いた金額)が10万円を超えないと医療費控除を受けることができませんでしたが、この新制度によって医療用から転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入代金が年間合計で1万2千円を超える部分についても医療費控除を受けることができるようになりました。市販の医薬品には「控除対象」とか「スイッチOTC」等の表示があるものが対象で、レシートにもその旨が表示されます。なお控除を受けるには確定申告を行い、その際レシートや領収書が必要となりますから1年間大切に保存しておいてください。

 ただ注意点があり、従来の医療費控除とセルフメディケーションはどちらか一方しか適用されません。ですので、自身のライフスタイルに照らし合わせて二者択一することになります。また、医療費とは生計を共にする家族の合計額です。

1)従来の医療費控除のツボ
 納税者本人および生計を共にする家族一年間窓口で支払った医療費が対象です。窓口での支払いの他、院外処方(薬局での処方箋投薬)の費用も対象です。控除には領収書が必要ですから必ず受け取り保存しておいてください。薬局で購入した医薬品も対象です。これに関しては治療目的であれば品目を問いません(つまり必ずしもスイッチOTC医薬品でなくてもよい)。また、保険がきかない「鍼灸」「マッサージ」「整体」でも、治療目的なら対象になります。これらの類いは場合によっては美容や癒やし処方も含まれるため、領収書に「治療費」が明記してあるか確認しておく必要があります。

 医療費控除額=(実際に支払った医療費の合計金額)-(保険金、給付金等で補填された金額)-10万円

 医療費とはあくまで身体等の不調を治すための費用なので、予防検診に関するものは対象外です。例えばインフルエンザの予防接種とか重大な異常が発見されなかった人間ドック等は病気になる前なので医療費とはならないわけです。また、骨折などで医者が必要とした松葉杖等はケガを治すのに必要な器具として医療費に含まれますが、眼鏡コンタクトレンズは治療目的ではない(目が治るわけではない)ので対象外となります。

2)セルフメディケーション(医療費控除の特例)
 「セルフメディケーション税制対象医薬品」の一年間の購入金合計(家族全員の合計)が1万2千円を超えた部分について、医療費控除を受けることができます。「税制対象」が明記されたレシートや領収書を添付して申告することになります。医者に行く時間がなく、市販の医薬品を利用することが多い場合は是非利用すべきです。ただし申告には「健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行っている」証明が必要とされていますが、会社や公共団体が実施している健康診断結果通知書などでOKです。予防接種や人間ドック等でも証明できますが、費用自体は控除の対象外なので控除の恩恵が減ってしまいます。

 医療はあくまで個人の考えによる選択です。健康に不安があれば医療機関にかかるべきで、新しい制度ができたからといって安易に市販薬シフトするのは本末転倒です。自分の健康があってこそ人生設計が立てられるのですから、税制の損得で振り回されないようにすることが大切です。

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by fp2-kojiro | 2017-02-11 08:13 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)
2017年 02月 05日

ライフジャイロ(31)~税金は所得にかかる~

d0334173_16573470.jpg 一年間の収入から、その収入を得るための経費を差し引いたもの(いわゆる控除)が「所得」です。この所得をもとに課税されるのが所得税ということになります。経費というと自営の方だけのもののように考えがちですが、各所得の種類に合わせて、経費に当たる「控除」が設定されています。一般的なサラリーマンにも当然収入にかかる控除があります。なお所得は10種類に分けられて計算されますが、ごく一般的なサラリーマンに限って言えば、関係の深いものはだいたい以下の所得でしょう。これらは総合課税といって各所得金額を合算して課税額を計算します。

 ・給与所得
 ・利子所得
 ・譲渡所得(土地、建物、株式以外)
 ・一時所得

この他にも、退職時には「退職所得」、アパート経営をしている場合には「不動産所得」、株式投資や投資信託を行っている場合には「配当所得」が関わってきますが、本稿では限定的なケースとして除外しておきます。

1)給与所得
 会社員やパートタイマーなどが、勤め先から受け取る給料やボーナスなどの所得です。受取金額によって控除額が決められています。

 会社勤めにも収入に応じていろいろな経費がかかる(通勤服、文房具など)ということです。

2)利子所得
 預貯金などの利子による収入の所得、控除は無しです。昨今は所得とも言えない金額にもかかわらず、しっかり税金は取られています。記帳の習慣がない方には、利子に税金がかけられていることすらご存知ない場合が多いようです。総合課税ではありますが、利子が付いた時点で源泉徴収されて課税は終了します。

3)譲渡所得(土地、建物、株式以外)
 資産と呼ばれる自己所有物を換金すると譲渡所得と見なされます。例えばゴルフ会員権や絵画骨董品といったものが代表的ですが、1個あたり30万円を超えるものが対象です。

 譲渡所得=総収入金額-(取得譲渡のための費用)-特別控除額50万円 
 
 つまり年間収入が50万円を超えなければ所得として合算されませんが、50万円を超えていると確定申告が必要になる可能性が出てきます。また、所有期間が5年を超えるものを換金した場合は、所得の2分の1だけを合算します。

4)一時所得
 一時的に取得した収入のことで、競馬競輪等の払戻金や懸賞クイズ類の賞金をはじめ、保険の満期金もこれに当たります。

 一時所得=総収入金額-支出金額-特別控除額50万円 

 譲渡所得と同じように年間収入が50万円を超えなければ所得として合算されません。もし申告が必要になる場合には合算時には2分の1として計算されます。例えば競馬で大穴が当たっても50万円を超えなければ課税対象にならないということです。昨年10月頃に大阪府寝屋川市の職員が中央競馬のWIN5(最終5レースの1着をすべて当てる)で4億3千万円の払い戻しを受けていたことが発覚し、約6,200万円の脱税が話題になりましたが、一時所得の申告漏れが招いた不運と言えましょう。蛇足ならがどうして発覚したのかは未だ不明のようです。

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by fp2-kojiro | 2017-02-05 11:03 | 外道FPのライフエコロジー | Comments(0)